零れ落ちる

部下である。
大して強くもない。自分ならば容易く殺せる程度。
しかし部下である。
他の菩怪と同じように、私に対して遠慮と怯えを見せていた。
しかしそれでも、何処か違っていたような気もするがどうでもいい。

ああ、そうか。お前は敵に情を移したのか。
私の敵は最早お前の敵ではなくなったのか。
ならば不要だ。
歯向かう者は斬り捨てるだけなのだから。

零れ落ちた、のは
(じわりと焦げるような感覚が胸に広がったのは錯覚、だ)


(090317)

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