いっそのこと、沈んでしまえ。

日向が眉を寄せる、口を開く、声を発する、小金井を小突く、笑う。
そんな何気ない、当たり前の行動にさえ心を奪われてしまう。
ねえ、日向。好きなんだよ。
そう伝える事ができたら、どれほどいいだろうか。
もはやこの想いはこの胸から溢れんばかりで、苦しくて苦しくて仕方が無いのに。

夢を見た。
オレは水の中でどこまでもどこまでも沈んでいこうとしていて、このまま溶けてしまうのではと思っている。
だけど、たった一本の弱々しい綱がそれを阻む。
オレはそれが悔しくて悔しくて、仕方が無いのだ。

「日向」
「ん、どうした?伊月」
無防備に笑う君の顔が愛しい。


れてしまえたら、

(090701)

inserted by FC2 system