笑う、怒る。泣く。
日向のそれが全てオレに起因したものであったらどんなによかっただろうと考えたことは初めてではない。

(ひゅーが)
(ただ、オレだけ、に)

耳の奥で波音が木霊して頭が痛くておかしくなりそうだ。
痛い痛い痛い痛い痛い。これも全部君を想うが故？
沸き起こる衝動のまま浚っていけたらどれだけよかったろう！
だというのに君ときたらその屈託の無い笑顔を見せるものだから、ああもう小さな心臓は殺されそうだ。

「日向」
気付いてるかなオレはいつだって君を見てるんだから。
そしていつか君がオレだけを見てくれるようになる日を夢見ている。
だから今はまだおやすみ、寝たふりを続けといで。オレのココロの片割れ。
ああ、今日もオレはただ笑うよ、友人のフリを続けて。
そして今日も今日とてオレと日向の二人でオレを殺すのだ。

二人掛の殺人
（０９０８２８）