「オレ、日向の軟骨食べたい」

にっこり。
端正な顔が笑う。
ぎゅうぎゅうと座った日向にしがみ付いて、伊月は彼の胸に顔を埋めた。
そしてこの発言。
日向は伊月が嫌いではないけれど、むしろ好きだけれど、こういうときの伊月は怖いと思う。
冗談でも何でもなく、本気で言ってるから。
日向が死んだら食べさせてね、くらい言いそう。
何で軟骨だよ、と思ったけれど、怖いから言うのは止めておく。
とりあえず伊月の頭を撫でて、愛しいコイビトがオレのことを食べませんように、と祈った。



きみの軟骨が食べたい
群青三メートル手前(歪愛十題より)
(091118)






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