並んで帰る途中、不意に触れた指先に驚いた。
「水戸部の手ぇ冷たっ」
彼の片手を持ち上げてぎゅうと握る。その指先はかなり冷たい。
いつであっても体温の高い小金井とは対照的だった。
突然のことに驚いた後、水戸部はふわりと笑んだ。
「……」
「どうせ子供体温だよ」
伊月と日向にからかわれたことを思い出して、小金井はむうと唇を尖らせた。
同い年だというのに、何かと彼等は小金井を子供扱いするのだ。
慌ててそうじゃないのだと水戸部が首を振る。
「えー、違うよ水戸部。手の冷たい人のが心があったかいんだよ」
「……」
「でもねー、オレ、今は子供体温でよかったって思ってる!」
ずっと水戸部の手を握って、気付いたこと。
「?」
「水戸部の手、あっためられるじゃん」
途端水戸部が顔を赤くした。可愛い。
そして立ち止まって小金井に抱きついた。
確かめるように頭を撫でるその手がくすぐったい。
小金井は赤く頬を染めながらも水戸部を抱き締め返した。


こどもたいおん



(091129)




日「何あの可愛いの」
土「往来なんだけどなー」
月「……往来でオーライ」
日「……お前は可愛くない」
月「オレも日向のことあっためてあげるから!」
日「いらん」





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